借家の基礎知識 - アパート・借家経営の今後

アパート・借家経営の今後

ご先祖から引き継いだ土地に建物を建て家屋を貸している、または、親から引き継いだアパート・借家を引き続き賃貸に出しているなど、アパート・借家を自宅以外にお持ちの場合は、その建物を何らかの収益物件として運営されています。
特に親から引き継いだアパート・借家を経営されている場合、建物の老朽化、契約のあいまいさ、権利関係の複雑化で問題点を抱えていることが多くあります。

そのアパート経営、収益あがりますか?

親から引き継いだアパート。いまは問題がなくても、これを事業として捉え、長期的に収益があがるかどうか検討することがとても大切です。

アパート経営については、収入(家賃、敷金礼金等)と支出(ローン返済、修繕費、税金、保険、その他諸経費等)を、長期的視点によりバランスを取る必要があります。収支バランスが取れていない場合は戸数やプラン、設備などの仕様、ローン等の資金計画を再検討しなければなりません。
この際、入居者の立場を思慮せずに安易に建物の質を落としたり、無理に戸数を増やして使い勝手の悪い間取りにしたりしまうとかえって空き家が発生することとなり利益の低下を招きます。
目先の収支金額だけを追うのではなく、俯瞰的、長期的な視点で収支計画書を作成する必要があります。

収入
  • ・家賃
  • ・駐車料金
  • ・共益費
  • ・礼金
  • ・更新料 など

支出
  • ・ローン返済額
  • ・修繕費
  • ・火災(地震)保険料
  • ・税金
  • ・諸経費 など

収益

収支計画書はキャッシュフロー表として作成すべきであり、「不動産取得の収支」と混同してはいけません。
実質的に現金支払いが発生しない減価償却費や専従者給与等は必要経費として計上します。

アパート経営の収支見込み

「利回り」は、アパート経営の採算性を示す指標として使用され、建築時の費用と、得られる収入との関係で求められます。
利回りには以下の2種類があります。

  • 表面利回り(%) = 年間の総収入÷総投資額×100
  • 実質利回り(%) = (年間の総収入-経費)÷総投資額×100

重要なのは、経費を差し引いた「実質利回り」であり、これがいくらになるのかを意識するようにしましょう。
また、利回りは高くても、立地環境や間取り、家賃設定等が入居者ニーズに合っていなければ、机上の空論となってしまいます。収支計画の検討時にはそれらも注意しましょう。

賃料、空室率がキーとなる

収支計画は、将来の収益を予測するための重要なシミュレーションです。何をいくらに設定するかで、将来の収支が大きく変わってきます。
計画時のポイントは、①賃料、②空室率、③修繕費の3つです。

まず、賃料について。
賃料の設定はなかなか判断が難しく、周辺の相場を熟知した不動産業者にアドバイスを受け、設定していくのがいいでしょう。
また、近年は更新時の賃上げをすることはほとんどなく、逆に長期的には、賃料が少し下がると想定して計画する方がよいでしょう。

次に空室率です。
新築時はともかく長期的には空室が出る前提で設定した方がよいでしょう。退去は入居者の都合によります。閑散期に退去してしまうと、次の入居者が決まりにくい場合があります。とはいえ、空室率を高く設定すれば収入が低下し、収支計画が成り立たちません。

修繕費は大きな出費

アパートの修繕費。退去時の原状回復費用、クーラーや給湯器等寿命がある設備の交換費用等は収支計画書から漏れがちです。
また、外壁などの大規模な修繕についても、当初から一定の修繕費用を積み立てる等、メンテナンス計画も考慮した収支計画にすることが重要です。

収支計画は定期的な見直しが必要

アパート経営の開始から10年も経過すれば、周辺環境が変化していることもあります。
再開発やそれにともなう交通網の変更、大型施設の誘致などは、入居者のニーズに大きく影響を及ぼします。
また、景気の変化、税制の変更もあるでしょう。

収支計画は、あくまで計画時の未来予測です。これらの変化に伴い、賃料を見直したり、必要であれば設備投資を検討したりしなければなりません。

経営環境をその時代の状況に応じて見極め、経営方針の修正や収支計画の見直しが必要です。
また、自身の事情や相続の発生等によって収支計画を見直さなければならない場合もあります。
収支計画は恒久的なものにあらず、数年で見直しが必要なものととらえる方がよいでしょう。

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