「相続した土地が貸地(底地)だから対処に困っている。」
「相続した貸地(底地)にかかる税金はどれくらいかかるの?」
相続した土地が貸地(底地)であった場合によく悩むのが、貸地(底地)の対処方法ではないでしょうか。
そこで今回は、貸地(底地)を相続してお困りの方に向けて、貸地(底地)の対処方法について解説します。

□貸地(底地)とは

土地を持っている人(地主)が第三者(借地人)に家を建てて住むために土地を貸している土地のことを貸地(底地)と言います。
そして、貸地(底地)には底地権が存在します。
底地権は地主が借地人に土地を貸して、借地人が建物を建てることなどを認める代わりに土地の賃料や契約更新時、借地条件の変更の際に、一定の金銭を借地人から受け取る権利のことです。
一方で、地主は賃料を受け取って第三者に土地を貸しているので、土地の名義が自分名義だからといって借地人をすぐに追い出すことはできないなど、土地の利用に制限がかかります。

□相続税とは

相続税とは、故人の財産を相続した人にかかる税金です。
一般的には故人の財産から、非課税の物、債務・葬式費用等を差し引いたものに対して相続税がかかります。
そして、故人から相続した貸地(底地)にも例外なく、相続税を払う必要があります。

□土地の評価方法

土地の評価方法は「公示価格」「固定資産税評価額」「路線価」「売買取引価格」の4種類があります。
相続税や贈与税を計算するときは、原則として「路線価」を使って土地の評価額を計算します。

*路線価とは

路線価は国税庁が示す土地価格のことです。
国税庁が毎年1月1日を評価時点として、全国の主要な市街地の道路価格評価を行い、8月上旬ごろに路線価を公表しています。

□貸地(底地)の相続税を計算する方法

貸地(底地)を相続した際にかかる費用の計算方法について、例を示して解説します。
借地権割合が70%の場合は路線価評価額×30%になります。
つまり、上記の借地権割合で路線価30万円、貸地(底地)が150平方メートルの場合は、貸地(底地)の相続税評価額=30万円×150平方メートル×30%という計算になり、評価額は1,350万円です。
したがって、相続税は1,350万円に対して課税されるため、税負担が重くなります。
一方で、事前に貸地(底地)を売却しても、路線価で評価された土地評価額と市場価格は大きく異なることに注意してください。
一般的に貸地(底地)の市場価値は路線価の評価額よりも低くなります。
理由としては、土地を借地人に貸しているため土地利用に制限があること、第三者に売るのが難しいことなどが挙げられます。
このように、貸地(底地)の取り扱いは複雑で素人が理解するのは困難なため、決して素人判断で貸地(底地)の取り扱い方法を決めないようにしましょう。

□相続税の物納

相続税は条件付きではありますが、物納を行えます。
物納とは相続税を現金で納付することが困難な場合に、不動産などの現物を代わりに納付できる仕組みです。
しかし、不動産の物納は満たさなければいけない必要要件が多く、要件を満たすために多くの時間が必要となります。
必要要件は土地賃貸借契約書の締結や土地の境界が確定していることなどが挙げられます。
つまり、相続が開始してから物納の準備を始めても、申告期限に間に合わないので要注意です。
したがって、事前に相続税分の現金が足りないことが分かっている場合は、物納要件を満たす準備をしておくことが大切です。

□貸地の等価交換

一般的に借地として土地を貸した場合、その土地を取り戻すのは困難です。
借地権を買い戻す場合も、借地人から借地権の費用を支払うように求められるので、おすすめしません。
貸地(底地)を取り戻す方法として、「等価交換」を利用することを考えてみてください。
等価交換とは、借地権割合を基準に貸地(底地)の面積を分けてしまうことです。
例として、面積が500平方メートルの貸地(底地)を地主と借地人で所有しており、借地権割合が70%であった場合を考えます。
この例で等価交換を行うと、それぞれ借地人が350平方メートル、地主が150平方メートルの土地を所有することになります。
等価交換を行った土地は譲渡所得税がかからず、取り戻した土地は単独所有権となるため自由に利用できます。
したがって、等価交換後の土地を駐車場にして運用したり、アパート等を建てたりして土地を有効活用できるようになります。

□まとめ

今回は、相続した土地が貸地(底地)であった場合の対処方法について解説しました。
本記事でご紹介した方法はあくまでも一例です。
実際は、借地人さんとの関係など貸地(底地)を取り巻く状況は案件ごとに異なります。
したがって、個人で安易な判断をすると思わぬ損失を被ることがあり、危険です。
貸地(底地)の取り扱いに関しては、専門業者に相談することをおすすめします。
当社にはこれらの情報に詳しいスタッフが在籍しています。
何か相談したいことがあれば、気軽にお問い合わせください。

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