今回は長屋を相続し、そのまま貸し出していましたが、老朽化で屋根が落ちてきそうになっている築60年の長屋を売却した相談事例をご紹介します。

□屋根が落ちてきそうな長屋

* ご相談者様の状況

ご相談者様:50代男性
ご家族:お子様は独立し、今は奥様とセカンドライフを楽しんでおられます。
ご相談内容:
今回は老朽化が深刻になっている築60年の長屋についてのご相談です。

ご相談者様は元々ご両親も住んでおられた長屋一棟を相続し、そのまま居住用として貸し出しておられたそうです。
長屋は築60年を超えており、見た目にも極めて古い建物でした。
少し老朽化に不安を感じていたものの、「まあ、なんとか大丈夫だろう」と考え、リフォームや修繕などはせず、そのままにしていたそうです。

しかし、あるとき「阪神大震災で倒壊したマンションのオーナーに対し、計約1億数千万円の賠償を命じた」という記事を見て、想像もしていなかった責任の重さに血の気が引いたのだそうです。
地震のような自然災害では大家の責任はなく、加入している保険で対応すればよいと考えており、大家にそこまで大きな社会的責任が課せられることは想像もしていなかったそうです。

ご相談者様は、慌てて長屋の耐震強度を確認することにしたそうです。
その結果、現行の新耐震基準に照らし合わせると、阪神大震災のような震度6強から7の大地震には耐えられない可能性が高いことがわかりました。
また、屋根の耐久性が弱くなっており、地震や自然災害のはずみで崩れてしまう危険性も指摘されてしまったそうです。

そのため、屋根の補修や建物の耐震強度を現行の耐震基準に合わせるために修繕費用の見積もりを出してみると、とても長屋の家賃収入では賄えない値段だったそうです。
老後のお金の問題を考えると、修繕費用を出すことができないと考えたご相談者様は、長屋のような築古物件を扱っている不動産業者を探し、インターネットで見つけた当社にご相談に来られたとのことです。

□建物に欠陥があったと認められると大家にも責任が課せられる

ご相談者様がお持ちの長屋のような築古物件では、建設当時の旧耐震基準で設計されています。
旧耐震基準は現行の新耐震基準よりも甘く設計されていたので、「旧耐震基準は満たしているが、新耐震基準を満たしていない」ということが現実にありえます。

ただ、実は設計当時に旧耐震基準が使われていた建物に関しては、新耐震基準を満たしていなくても法的には問題ありません。
そのため、長屋が新耐震基準を満たしていないからといって、地震で倒壊してしまった場合に必ず大家さんの責任になるとは限りません。

しかし、ご相談者様が見た記事にあるように、大地震の倒壊によって居住人が亡くなり、遺族が損害賠償を求めて裁判を起こし、大家さんに1億数千万円の賠償金の支払いが命じられたケースが実際に存在するのです。

この判決では、建築当時から旧耐震基準に満たなかった部分があったとして、賠償責任が問われました。

そのため、建物が建設当時の耐震基準を確実に満たしていたと証明できない場合、地震などで倒壊したときに大家さんが責任を問われる可能性はあるということです。

ご相談者様は、建築当時に旧耐震基準を満たしていたのかは把握しておられませんでした。
そのため、そのまま貸し出し続ける場合は、旧耐震基準を満たしていたかを確認することと、耐久性の弱くなっている屋根やその他の「建物に欠陥があった」と判断されかねない部分の修繕が必要であることをお伝えしました。
そして、もう一つの選択肢として、この時点で売却してしまうこともできるとお伝えしました。

え、こんなに古い建物なのに、すぐ売却できるのですか?」とご相談者様は予想だにしておられなかったようですが、弊社のような築古物件の専門業者では、築60年を超えるような長屋であっても、基本的にすぐ買い取りをすることができる仕組みが整っています。
修繕費用を捻出することが難しいと考えていたご相談者様は、なるべく早く売却をしておきたいご意向だったようです。

ご相談者様のご意向が確認できたため、すぐに買い取りをさせていただくよう手続きを始めました。
お話をいただいてから2週間かからないうちに、買い取りを完了することができました。
ご相談者様は「何も知らずに、抱えきれないような責任を負うことにならなくてホッとしている」と仰っていました。
築古物件では、このような大きな責任を考えなくてはならないこともあります。
建物の強度を安心できるレベルに保てないのであれば、当社のような専門業者に売却することも有効な手でしょう。

築60年を超える長屋のように、耐震強度に不安のある築古物件を売却したい方は、ぜひ当社にご相談ください。
弊社は築古不動産の専門業者です。
築古物件の相談や査定もすぐに対応可能で、もし売却をお考えになる場合もスピード買い取りいたします。

築古物件のご相談・査定・ご売却の依頼など随時受け付けておりますので、お気軽に日成開発までお問い合わせください。

築古不動産の売却のご相談は…

築古物件の売却をお考えの方はもちろん、不動産の今の価値を知りたい方や、相続・入居者トラブル等でお悩みの方からのご相談も受け付けています。
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