今回は、収益が減り続けて相続すると負債になりかねない築80年の長屋を売却された相談事例をご紹介します。
□収益が減り続ける長屋
*ご相談者様の状況
ご相談者様:70代男性
ご家族:お子様は独立されており、奥様と2人暮らしをしておられます。
ご相談内容:
ご相談者様は祖父の時代から引き継がれている長屋を相続し、賃貸経営をされていたそうです。
相続した当時は、ある程度の家賃収入にはなっていたとのことです。
しかし、近年では空室の募集をしても、建物がかなり古く、設備も入居者さんの希望に合わないのか、入居申し込みの問い合わせもなくなっていたそうです。
その際は、近隣の賃貸相場よりも低い値段で家賃を設定し直して、なんとか入居者を集めていたそうです。
家賃を引き下げたことで、全体の収益がかなり減ってしまい、赤字にはなっていないものの、税金の支払いや定期的な修繕工事などを踏まえると、決して良い経営状況ではありません。
大規模リフォームも考えたそうですが、リフォームをしたからといって大幅に家賃を上げられるとも考えにくく、リフォーム費用を回収できるのか判断できずにそのままにしていたそうです。
さらに最近では近隣の共同住宅も家賃を下げており、空室が出ても入居者が決まりません。
もうこれ以上、家賃を下げるわけにはいかないので対策の打ちようがなく、いよいよ赤字になる可能性が現実味を帯びてきました。
この物件は祖父の時代から引き継がれてきたものなので、息子さんも引き継ぐつもりでいるようです。
この状況を話しても、「まあ我が家の伝統だし、大変そうだけどなんとかするよ。」と言います。
その気持ちはありがたいと思ったそうですが、息子さんに苦労はかけたくないとの思いで葛藤していたそうです。
この長屋の収益改善をしようとすると、大規模リフォームが必然であることは感じていた為、具体的にどのような大規模リフォームをしたら収益改善ができるのかを知りたくて、弊社までご相談に来られたとのことでした。
□築古物件はリフォームしても収益改善になりにくい?
結論から言ってしまうと、長屋のような築古物件を大規模リフォームしても、投資金額と家賃収入のバランスが悪く、工事費用を回収するには相当な期間が必要となります。
そのため、あまり大規模リフォームはおすすめしていません。
今回のご相談者様にも、そのように伝えました。
しかし、ご相談者様の現状からすれば、これからさらに空室が増えていくこと、老朽化が進むことで修繕費用が増えていくことは明らかです。
また、築古物件なので災害リスクもあります。
それらのことを踏まえると、息子さんにとっての負担になる可能性は否定できませんでした。
それは、ご相談者様にとっては望まない状況です。
そのため、ご相談者様は息子さんに負担を残さないように、長屋を売却しようとご決断されました。
ご相談者は息子さんに長屋を売却することを話され、息子さんの理解を得られたため、弊社で買い取りをさせて頂くこととなりました。
収益性が低い築古物件は、仲介での売却は簡単ではありません。
築80年を超えた物件は、金融機関の融資が困難ですので現金での購入が必要となる場合が多く、収益が低い物件を現金で支払う方を探すことはかなり難しいのです。
そのため、一般的にこのような築古物件の売却を不動産会社に相談すると、「大規模リフォームをするか入居者を立ち退きして解体してからじゃないと難しいですね。」と言われる家主さんが多くおられます。
しかし、売却前に大規模リフォーム費用や立退き費用で大きな出費をすることは避けたいですよね。
そのような出費を避けるために、弊社のような築古不動産の専門業者に相談するのがおすすめです。
築古不動産の専門業者であれば、「収益性が低い」「入居者さんとの間にトラブルがある」などの物件でもその現状のまま買い取ることが可能です。
リフォーム費用を支払ったり、トラブルのある入居者さんに立ち退き要求をしたりと、余分な費用や手間をかけていただく必要は一切ありません。
今回のご相談者様のように代々引き継がれている築古不動産は、どこかのタイミングで維持する事に困ることがあります。
古くなって老朽化が進むことで、入居者さんが入らずに家賃収入が減り、逆に修繕の必要性は高まるので費用は増えていきます。
支出が収入を上回ってしまうと、そこからは代々引き継がれてきた「不動産」は、一転して「負動産」に変わります。
そうならないために、少しでも利益がある間に売却していただきたいところです。
今回のご相談者様もご自身の代で、引き継がれてきた長屋を売却することを決められました。
売却をご決断いただいてからは2週間ほどで手続きが完了し、息子さんに負債が継がれることはなくなりました。
ご相談者様も
「息子には代々の伝統など気にせず、のびのびと暮らしてほしい。余計な負債を継がせることにならなくて本当にホッとしている」
とおっしゃっていただきました。
築古物件は、老朽化が進むと賃貸経営が難しくなるタイミングがやってきます。
築古物件で収益があがらなくなってお困りの場合は、ぜひ日成開発までお気軽にご相談ください。
収益が上がっていなくても、災害リスクが大きくても、そのような問題も丸ごと買い取らせていただきます。