今回は、地震で壁にヒビが入ってしまい、修繕工事や入居者さんからのクレームが多くなってきた築古一棟マンションを売却された相談事例をご紹介します。

□地震で建物にヒビが入り、入居者さんとトラブルに

*ご相談者様の状況

ご相談者様:60代男性
ご家族:お子様は独立されており、奥様と2人暮らしをしておられます。
ご相談内容:
ご相談者様は数十年前に知人の勧めで不動産賃貸経営をすることになり、その際に購入された今年で築50年になる築古一棟マンションの売却についてご相談いただきました。

ご相談者様は当時、収入が安定している間に老後の収入源を確保しておきたいと考えておられ、その際に知人からの勧めで賃貸経営を始められたとのことです。
築年数の古いマンションではあったものの、最寄り駅に近く利便性の良い立地だったので空室が出てもすぐに入居申し込みが入るほど家賃収入は安定していたそうです。

しかし大阪北部地震が発生した際に、建物の外壁や共用廊下に大きなクラック(亀裂やひび割れ)が多数発生してしまい、その為に外壁タイルも割れたり、剥がれ落ちたりたりしたそうです。
住居内も窓枠や建具枠周辺の壁紙がひび割れたり、家具や冷蔵庫などが動いて壁に穴や床に傷が付いたりと、入居者さんにも多くの被害があったそうです。

その時は、被害の大きい箇所を修繕することで対応されたそうですが、入居者さんの1人が「このままでは住めない」と言い張り、別の場所へ自主的に避難して家賃の返還を求めてきたとのことです。

簡易の耐震診断をすると、「直ちに倒壊する恐れはない」との診断結果が出されたので、家賃の返還は拒否されたそうですが、「直ちに倒壊する恐れはない」と言っても、また地震が発生した時にも大丈夫とは限りません。
次に被災した際には、壁のひび割れでは済まないかもしれないと不安に感じたそうです。

又、修繕工事も高額な工事となり、今回のような入居者さんとのトラブルを考えると、「そろそろ売却も検討したほうがいいのかな」と考えるようになり、弊社に相談に来られたとのことです。

□築古物件は災害リスクをしっかり検討しましょう

築50年を超えるような築古物件は、どうしても災害リスクが大きくなってしまいます。
経年劣化によりクラックなどの表面的なほころびも発生しやすく、大家さんには原則として修繕義務があるので、ある程度の修繕費用が必要です。
築古不動産の場合だと建物の老朽化も進んでいることが多く、台風で屋根が飛ばされたり、地震で倒壊してしまったりなど、大きな事故に繋がる可能性もあります。

建物が通常備えるべき安全性を有していたのであれば、大家さんが事故に対して損害賠償等の責任を負うことはありません。
しかし、建物が通常備えるべき安全性を欠いていて、それが原因で建物が倒壊した場合等には、建物の所有者は民法717条(土地工作物責任)などの不法行為に基づいて、損害賠償の責任を負わされる可能性があります。

今回のご相談者様は耐震診断を行い、建物に大きな損傷がないことは確認できましたが、建物の老朽化が進んでいないというわけではありません。
建物の安全性を保つためには、必要な修繕やメンテナンスを定期的に行う必要があります。

ただ、修繕やメンテナンスをしていても、地震のような自然災害によって大きな被害を受ける可能性を考えなくてはいけません。
今回のご相談者様のように、地震の為に建物の外壁や廊下、住戸内に被害が出ると多額の修繕費用が発生します。

また、入居者さんに被害が起きたときには大家さんに法的責任がない場合であっても、今回のように入居者さんとのトラブルが発生する可能性もあります。
建物の安全性を確保していれば金銭の請求などは拒否することができますが、請求される大家さんからすると不安になりますよね。

築古物件で上記のようなリスクを避けるためには、まず「定期的な修繕とメンテナンスを行うこと」、そして災害などに備えて、「火災保険・地震保険・施設賠償責任保険などを準備すること」が大切です。
あるいは、建物の状態を踏まえて、将来的なリスクを根本的になくすために、早い段階でご売却を検討されることも重要です。

築古物件では、このように災害リスクを強く意識する必要があります。
家賃収入が安定した資産であっても、自然災害で大きく破損し、修繕費用によって負債化する可能性があります。

もし突発的にそのような事態になり、修繕費を用意できない状態であっても、「今回は修繕工事をしないでおこう」ということはできません。
大家さんには、自然災害などの破損に対して、修繕を行う義務があるためです。
いつそうなってしまうかは予測できないことなのです。

そこで疑問や不安がある場合、まずは弊社のような築古不動産専門の業者にご相談いただくことをお勧めいたします。
一般的な不動産業者では、築古物件を取り扱った経験が少ないため、適切なアドバイスをすることが難しいのです。

弊社は築古不動産を専門に取り扱っているため、建物のリスクや入居者とのトラブルなども、多くの前例を踏まえて適切にアドバイスすることが可能です。
また、築古物件の状況に応じて迅速に買い取りを行うこともできます。

実際に、今回のご相談者様も最初にご相談にお越しいただき現状のリスクと取れる選択肢、買い取りをする場合の買い取り価格などをご説明して売却するとご決断されてから2週間ほどで買い取りをすることができました。

ご相談者様は売却をするには面倒な手続きや長い準備が必要だと思われていたそうで、

「こんなに早く終わるとは想像もしていなかった。余計なことに時間を取られることがなかったので、とてもありがたい。」

とおっしゃっていただきました。

災害リスクを抱えた築古物件は、ぜひ日成開発までお気軽にご相談ください。

築古不動産の売却のご相談は…

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