今回は、先祖代々受け継いできた貸地(底地)を売却したいとご相談に来られた方のお話をご紹介します。
□先祖代々受け継いできた貸地(底地)は問題だらけ!?
我が家には先祖代々受け継いでいる土地があります。
昔は親族の誰かが家を建てて住んでいたそうですが、今はそこに別の方が住んでいます。
今回私が受け継いだその土地には、借地人が家を建てて住んでいるので、特に私がその土地を利用できる訳ではありません。
これまで所有していた父も、地代を受け取る以外は特に何をするでもなく、ずっと放置されているような状態でした。
そんな父の姿を見ていたので、私もその貸地についてはあまり気に留めていませんでしたが、友人から「ちゃんと契約状況や地代について把握しておいた方がいい」と言われ、調べることにしました。
すると、長年住んでいる借地人さんとの契約書が見当たらないのです。
そして、受け取っている地代も驚くほど低いものでした。
先祖代々受け継いでいた土地ですが、契約内容もあいまいで地代収入もあまり見込めないため、将来息子たちに相続して良いものか迷っていました。
そのため、息子たちに状況を説明して貸地について意見を聞いてみると、
「相続したくない」
「売れるなら売って欲しい」
このように返ってきたのです。
理由を聞いてみると、
・自由に使えない土地で、契約書も無いようなよくわからないものを相続したくない
・トラブルにならないうちになんとかしておいてほしい。
・・・このような考えでした。
ただでさえ面倒な貸地(底地)なので、私の代で終わらせようと決意しました。
うちのような貸地(底地)でも売却できるのか分からなかったのですが、同僚や友人に手当たり次第相談して回りました。
□貸地(底地)の基本的な売却方法
*地主さんが借地人さんに貸地(底地)を売却する
地主さんが借地人さんに売却をした場合、借地人さんにとっては、土地を購入するとその土地の完全所有権を得るので、地代の支払いもなくなって自由にその土地を活用することができます。
そして、借地権だけを持っているより不動産価値が格段に上がります。地主さんにとっても、借地人さんに売るのが一番高く売却できる可能性が高いため、地主さんと借地人さんの双方win-winな解決策です。
ただし、借地人さんに資金の余裕があり、土地を購入する意思がある場合に限られます。*借地人さんと協力して第三者に売却する
地主さんが土地を売りたいと考えており、借地人さんも借地権を手放しても良いと考えている場合があります。地主さんが借地権(建物)を買い取っても良いのですが、買い取る資金が無い場合は、地主さんと借地人さんが協力して土地と建物を第三者に売却すれば、どちらも売却代金が得られます。
しかし、よく参考に用いられる借地権割合を基に計算すると、一般的に地主よりも借地人の方が受け取る金額の割合が大きくなるので、地主さんの取り分が少なくなります。そのため、売却代金の分配方法で揉めることがよくあります。*地主さんが借地権を買い取って通常の土地として売却する
前述のように借地人さんが借地権を手放す意思がある場合、地主さんが借地人さんから借地権を買い取って完全な所有権を得たうえで売却する方法です。
土地が自由に使えるので利用価値が上がるため、売却価格も高くなります。
ただし借地権の買い取りには、まとまった資金が必要となります。1つ注意しておかないといけないのは、どの場合でも借地人さんとの交渉が必要だということです。もし交渉が決裂してしまえば、どうしようもなくなってしまうのです。
借地人さんは借地借家法で強く立場が守られており、一方的な地代の値上げや無理な立ち退きを要求できないため、地代収入が少ない場合は売却することも前向きに考えていただい方が良いかもしれません。(相続などで今の契約状況や人間関係を知らない世代に受け継いでしまった場合、把握できていないことが多い事から様々なトラブルが起こることがあります。)
□貸地(底地)の売却に至った解決方法
相談していた知人から聞いた会社で、気になる不動産会社がありました。
それが日成開発さんです。
気になったポイントは、仲介業務で買い主を探すのではなく、日成開発さんが直接買い取ってくれるので、すぐに売却できることです。
一般的な不動産会社では貸地(底地)を扱っていないこともありますが、日成開発さんは貸地(底地) などの築古不動産を専門に取り扱っておられたので、私たちの面倒な貸地(底地)も対応いただけるのではと期待していました。
お話を伺うと、貸地(底地)の売却方法にもいろいろあるようですが、借地人さんとの交渉が必要になるようです。私は借地人さんと直接お会いした事が無い事に加えて、土地の購入を持ち掛けるにしてもどのように話せばよいのかも分からないため、たとえ自分で交渉しようと思ったとしてもどうすれば良いのか分からない状態でした。
今後のことも考えると不安だったので、仲介業者を通して買主を探すのではなく、日成開発さんに直接買い取ってもらうことにしました。
売却を決断した直後からサポートしていただき、思ったより早く売却することができました。
□息子たちに迷惑がかからず済んでよかったです。
先祖代々受け継いできた貸地(底地)でしたので手放すのはかなり躊躇しましたが、土地を持っているとは言っても自由に使える訳ではありませんし、地代収入も少なかったため、所有しているだけで少し煩わしいと感じていたので、今回売却できてよかったと思っています。
息子たちに面倒なものを押し付けずに済んで、正直ほっとしています。