今回は家賃による収入が鈍り、収益にならなくなった築60年の古いマンション一棟を売却した相談事例をご紹介します。

□入居者が見つからず家賃も下がっていく

＊ご相談者様の状況

ご相談者様：60代男性
ご家族：奥様と2人暮らしをされています
ご相談内容：
今回は家賃による収入が鈍り、収益にならなくなった築60年の古いマンション一棟についてのご相談です。

もともとこのマンションは、ご相談者様が家賃収入を得るために購入していたものです。
立地はそこまでよくないものの、購入した当時は入居者さんが絶え間なく見つかっており、特に問題なくマンション経営をされていたそうです。

しかし、マンションを持っていた地域から都心に移り住む人が増え、徐々に人口が減っていたそうです。
そのため、マンションの需要が減っていった結果、その一帯の家賃の相場が下がっていってしまったそうです。
やむを得ず、ご相談者様も家賃を減額して、なんとか入居者さんを確保していたそうです。

ただ家賃を減額したことで収益性が下がり、あまり利益にならなくなっていたそうです。
さらに人口も少なく、マンション自体の築年数もかなり古いことから入居者さんが入らなくなり、いよいよマンション経営は暗礁に乗り上げてしまったそうです。
人がいないものはどうしようもなく、マンションをリフォームしたところで、その費用を回収できないことは目に見えています。

そこで、マンションを売却することを考え始められたそうです。
ただとても古いマンションなので、近くの不動産屋では査定を拒否されてしまったそうです。
どこか古いマンションでも買い取ってくれる業者はないかと探されていたところへ、当社のホームページを見つけ、ご相談に来られたとのことでした。

□築古物件の引き際

築60年を超える古いマンションのような築古物件は、どうしても「引き際」というものがあります。
何処かのタイミングで、売却を考えなくてはならなくなるということです。
その理由は、ご相談者様が経験されたように、一度収益性が下がってしまうと、元の水準に戻すことが極めて困難であるからです。

築古物件は、比較的築浅な物件と比べると、大きなハンデを背負って入居者さんを募集している状態です。
まず、ほとんど同じ条件であれば、築古よりも築浅を選ぶことが家を探す人の基本的な心理です。
そのため、築古物件は家賃を相場よりも安くするなどの条件面で優遇しなければ、どうしても入居者さんが決まらないといった事態に陥ります。

そうとはいえ、仮に築古物件を大きくリフォームをしても、家賃を高く設定できて収益性が回復するかというと、そうではないことの方が多いです。
リフォームをしたとしても、築年数はごまかしがききません。
見た目が綺麗になっているとしても、築年数が古いと「地震や災害には弱いのではないか」「中身は古いままなのではないか」といった不安を持たれてしまうこともあります。
築年数が古いというハンデがある限り、リフォームをすれば築浅物件と同じ条件で売り出せるのかといえば、決してそんなことはないのです。
実際に、長年築古物件を見てきた当社であっても、築古物件をリフォームして収益性が劇的によくなるといった例はあまり記憶にございません。

築古物件というハンデがあり、ご相談者様の場合は環境にも問題が発生していました。
肝心の人がいなくなったという問題です。
不動産は「不動」であるのですから、その環境に問題が発生したからといって、持ち運んで別の場所へ持っていくということは不可能です。
環境リスクが発生した場合は、そのリスクによる不利益は必ず被ることになるため、計算に入れておく必要があります。

築古物件というハンデがあり、環境としても向かい風になっているご相談者様は、完全に引き際でした。
売却を考え始められたことは、賢明だと言えるでしょう。
しかし、ご相談者様が経験されているように、築古物件は一般的な業者では進んで査定を提示してくれないことがよくあります。
一般的な業者では築古物件の事例が少なく、その物件のポテンシャルを正確に把握することができないことが多いためです。

また、築古物件は銀行の融資が困難であるため、購入するためには現金で支払う必要があるために買い手がつきにくいことも一因です。
このように、築古物件は売却を考えたとしても、売却できないことも多いです。

そのため、まず当社のような築古物件の専門業者に相談するとよいでしょう。
専門業者であれば見積もりができないということはなく、見積もりを断られたりして業者をいろいろ回る余計なコストを支払わずに済みます。

ご相談者様のような収益性がかなり低い築古物件であっても、当社であれば買い取りをすることができます。
実際にご相談に来られてから見積もりを出し、2週間かからない短期間で買い取りまで進むことができました。
ご相談者様のように収益性が悪くなっている築古物件であっても、安心してご相談にきていただきたいと思います。