今回は築45年の築古アパート一棟を売却された方の相談事例を紹介します。
□管理不足で損壊して怪我人が出ると大家さんの責任に!
*ご相談者様の状況
ご相談者様:60代男性
ご家族:
専業主婦の奥様と二人で暮らしており、息子さんは会社勤めで離れて暮らしておられます。
ご相談内容:
お持ちの築古アパート一棟の売却です。
お持ちのアパートは30歳の時に仕事の付き合いで購入されたものだそうです。
当時築15年のアパートをローンで購入し、家賃収入をローン返済に充てながら賃貸経営されていました。
管理会社に依頼せず、専業主婦の奥様と協力してご夫婦で管理されていたそうです。
購入した当初は空室になってもすぐに入居申し込みがあり安定して家賃収入が入り、ローンも繰り上げて返済できていたそうです。
ただ、ローンが完済したころから徐々に空室が増えてくるようになったそうです。
築年数も40年が過ぎると設備なども古くなっていますが、大きなリフォームはしておらず、部分補修を必要箇所に行っているだけだそうです。
それに加え、大阪ではオリンピックやIRの影響で建設ラッシュです。
近隣には、競合となる新築マンションや綺麗なハイツが多く建設され、そちらに入居者さんを持って行かれているのではないかとおっしゃっておられました。
そのため、これからの維持管理の費用が必要なことや家賃収入が減っていくことを考えたとき、ご自身の年齢的にも管理が厳しくなったこのタイミングで売却を検討され始めたとのことです。
*過去の手抜き工事も大家さんだけが責任を問われてしまいかねません
地震や台風などの災害が起こった時に建物が倒壊もしくは損壊してしまい、万が一被害者が出た場合には、その建物を所有している大家さんが管理不足を理由に賠償責任を負うことになる可能性があります。
建物に不具合があって知らないでは済まされません。
仮に、建設当時の手抜き工事などによる構造上の問題が発覚した場合でも、現在の所有者である大家さんにも責任が発生してしまうのです。
この場合、大家さんが責任を問われ、その後大家さんから建設に関わった会社に賠償請求ができるのですが、ご相談者様の所有されている築45年の不動産の場合には、今でも建設当時の会社が存在しているとは限りません。
中小規模の工務店では、見つけること自体苦労することが考えられます。
もし、その当時の建設会社が見つからなかった場合、結果的に大家さんだけが責任を負わなければならないのです。
今回の築古アパートでもどういう状況なのかをまず把握することが大切です。
2020年4月1日から施行されている改正民法によって大家さんの今後の賃貸経営に影響するポイントがあります。
下記が大家さんに覚えておいていただきたいポイントです。
- 個人が根保証(ねほしょう)を行う場合には、極度額(きょくどがく)を定めなければ保証契約が無効となってしまう。
- 瑕疵担保責任が「契約不適合責任」に変更された。
- 敷金返還と原状回復のルールが明文化された。
- 前述の連帯保証人の保証する極度額(上限額)以外にも、連帯保証人から賃借人(入居者)の家賃支払い状況などの問い合わせがあれば、回答しないといけなくなります。
- 入居者の修繕権限が明文化された。
これまで解釈に委ねられていた部分が明文化されたことによって今後の入居者さんとトラブルにならないようにご注意ください。
下記ページに解説していますので、こちらも合わせてご覧ください。
https://nisseikaihatsu.co.jp/495/
□仲介で築古不動産を売却するには時間がかかる
築古不動産を不動産会社に仲介依頼して売却する方法は、新築や築浅物件と比較して引き渡しまでに時間がかかることが多いのです。
その理由は、適正な売却価格を割り出すことが難しいことと、買い手の需要が少ないことです。
まず適正な売却価格ですが、築古不動産に関する専門知識やノウハウがないと査定が難しいのです。
その理由の一つとして、類似物件を探そうにも見つからないことが多いのです。
又、築年数が45年も経つと買い手の需要が極端に少なくなります。
しかも今回のような築古アパートで入居者さんがおられる場合だと建て替えするためには立ち退き交渉が必要になるので、購入を避ける方もおられます。
というのも、立ち退き交渉に失敗してしまうと建て替えや大規模なリフォームが実施できず、そのままの状態で所有し続けることしかできなくなってしまいます。
立ち退き交渉は不動産会社でも経験が少ないと失敗してしまうことも多くあるので、購入するリスクが非常に高いのです。
又、一般的な仲介での不動産売却だと引き渡しまでで6ヶ月ほどかかると言われていますが、築古不動産の場合売却できずに1年、2年が過ぎてしまうこともあります。
このように築古不動産ならでは注意点がございますので、当社のような築古不動産の専門会社にまずはご相談ください。
当社であれば、相談・査定には費用はかかりません。
もちろん今回のような入居者さんがいる状態でも買い取り可能です。
不動産に抱える問題もまとめて買い取りさせていただきますので、お持ちの不動産でお悩みの方はお気軽に当社日成開発までお問い合わせください。