今回は築40年を過ぎた一戸建ての貸家を売却された方の相談事例を紹介します。
□賃貸経営していても大した収入にもならないから手放したい
*ご相談者様の状況
ご相談者様:60代男性
ご家族:
お子様は独立されており、専業主婦だった奥様とセカンドライフを楽しんでおられます。
ご相談内容:
数年前、知人の勧めで不動産の賃貸経営をすることになり、その際に購入された古い一戸建ての貸家の売却についてご相談いただきました。
今回の貸家を購入された当時はご両親の相続で資金的にも余裕があり、定年退職後の収入にでもなれば良いなという感覚で賃貸経営を始められたとのことです。
ただし、購入された物件が古かったという事もあり、あまり家賃を高く設定されておらず、しかも常に入居者が居たわけではなかったため、思っていたよりも収入が安定しなかったそうです。
そこで物件を購入された不動産会社に相談に行ったところ、「リフォームをして設備を新しくすれば、部屋探しをしている人の目を惹くのではないか」と提案されたそうです。
リフォームの見積もり金額は決して払えない額ではなかったそうですが、退職金を使ってまでリフォームを行うのには乗り気にはなれなかったそうです。
そうこうしているうちに、オリンピックやインバウンド需要などの影響で不動産価格が上がっているという話をよく聞くようになり、「もし現状のままで高く売れるなら売却も有りかな」と思われたそうです。
※築古不動産のリフォームについて
当社にご相談に来られる築古不動産をお持ちの地主さん・家主さんから、古い賃貸物件のリフォームをした方が良いかという話になることがよくあります。
結論から言うと、リフォームにかけた費用を順調に回収できている方はほとんどいらっしゃらないというのが実情で、特に築古物件の場合はお勧めしないことが多いです。
リフォームを行っても長期的な収入改善に繋がらず、借金だけが残ってしまう事例があまりにも多いためです。
そうなると、物件を売却せざるを得なくなってしまいますが、リフォームなどの改修工事を行わずにそのまま売却した方が手元に多くのお金が残せたのに…とならないために、近い将来のリスクなども踏まえた上で最善の方法をご提案しています。
賃貸経営を続ける場合も売却される場合も、まずは今の不動産の状況などを当社のような築古不動産の専門業者にご相談いただきたいと考えています。
今回のお客様は売却を検討され始め、ご自身でインターネット検索などを使って情報収集されていたそうです。
その際に、当社のホームページに掲載している紹介事例をご覧いただいき、自分と似た境遇の家主さんの事例を知り、ご連絡いただきました。
□改正民法が施行されると大家さんにも影響があります
売却を検討されているとのことだったので、まずは一般的な不動産仲介会社を使って買い主を探す方法と不動産会社が直接買い取る方法が有ることと、両者のメリット・デメリットをご説明しました。
また、不動産仲介会社を使っての売却の場合、2020年4月1日に施行される改正民法によってご相談者様に関係するお話をさせていただきました。
具体的には「契約不適合責任」という項目です。
改正民法が施行される前は「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」という名称です。
瑕疵担保責任では、隠れた瑕疵に対する責任を負い、損害賠償責任または場合によって契約解除できる制度です。
今回の民法改正によって「隠れた」という条件がなくなり、契約に適合していない場合は代金減額、損害賠償、契約解除などが行えるようになります。
簡単に言うと、契約書に記載が無く告知も行われていないような問題点(不具合など)が、契約の目的達成に影響する場合、売り主が責任を負う可能性が高まったということです。
今回のご相談者様には、当社の買い取りの場合は「契約不適合責任(瑕疵担保責任)」は免除になる事と、不動産仲介会社を使って売却した場合は、「査定額=実際売却できる金額」とは限らない事、築古物件は銀行融資が満足に得られないことも考えられ、売却に時間が掛かる可能性がある事などをお伝えしました。
築古不動産は、建物自体の耐久性や災害時などのリスクに加え、前述の融資の受け難さもあり、築浅物件よりも需要が少ないことがほとんどです。
そのため、当社での買い取りをご提案し、査定を行い、査定金額のご提示とその理由について詳しくご説明いたしました。
ご家族ともじっくりご相談いただき、約2週間後に当社へのご売却のお返事を頂戴いたしました。
今回のように築古不動産の賃貸経営をされていて、今後も賃貸経営を続けるか、又はご売却されるかに関わらず、まずは物件の現状を把握し、起こり得るリスクに備えることを強くお勧めいたします。
2020年4月1日に改正された民法が施行されることによって、大きく状況が変わる場合もあります。
当社では築古不動産のご相談・査定を無料で受け付けておりますので、お気軽に日成開発までお問い合わせください。