今回は老朽化した築古ビルを所有している方の相談事例を紹介します。
□物件の現状把握はなるべく早く!
*ご相談者様の状況
お客様:50代男性
家族構成:
・パート勤めの奥様と二人暮らしをされています。
・娘さんがおられますが、すでにご結婚されて離れて暮らしています。
ご相談内容:
今回のお客様は、亡くなられたお父様から複数の不動産を相続された方です。
ご両親は資産家で、比較的築年数の浅いアパートや駐車場、商業ビルなど複数の不動産をお持ちだったそうです。
相続後すぐにその中の築年数の古い商業ビルで、テナントさんから「外壁のひび割れをどうにかしてほしい」という要望があったのですが、ご自身は不動産経営の経験がなかったため、どこに頼めば良いのかさえわからず対応に困っていたとのことです。
そのビルを今後も所有し経営を続けるのか、売却するのかも含めて、複数の手段を検討されていました。
*時間をかけすぎると二次的な被害の可能性も
今回のビルは北摂地域にあり、以前の大阪北部地震でも揺れたエリアです。
築年数も古かったので、地震によってできたひび割れが表面化してきたのだと思われます。
まず初めに、お父様がお世話になっていた不動産会社に相談されたそうですが、建物が全体的に老朽化していたこともあり大規模な改修工事を薦められたそうです。
ただし、改修工事をする資金の目処が立たず、売却することを考え始められました。
まずは相談されていた不動産会社に売却先を探してもらったそうですが、なかなか買い主を見つけることができなかったそうです。
築年数が古い不動産は、建物の状態や老朽化具合、テナントの入り状況など様々なため、ひとつとして同じ物件はありません。
加えて、築古不動産の場合は購入してそのまま収益物件としての利用が難しいケースが多く、建替えたり、別の用途のために今ある建物を解体する前提で購入をされる方が多くなります。
解体することも視野に入れるなら、立ち退き交渉などのリスクを考えて敬遠されたり、購入価格を下げて検討されることになるのです。
今回のお客様は、買い主を探してもらってから3ヶ月の間、問い合わせを待たれていたそうですが、問い合わせは1件も来なかったそうです。
何とかならないかと再度不動産会社に相談に行かれても、「売却金額を少し下げて買い主を探しましょう」と何度か提案されただけだったそうです。
改修工事やリノベーションで売却価格が上がることもあり得ますが、立地や建物の状態に大きく左右されるため、全ての物件に当てはまる訳ではありません。
当社では、売却時に余計な費用や時間をかけることはなるべく避けた方が良いと考えています。
当社に相談に来られる方からも、リノベーションをして経営を続けていても、結局テナントが埋まらなかったり、利益が上がらずリフォームにかけた費用が何年経っても回収できていないという声をよく聞きます。
ただし、買い主探しがあまりにも長期化してしまう場合、修繕が必要なのにも関わらず、売却するからと放置していたり、気付かずに修繕されないままだったことが原因で入居者に被害が及んでしまうと、所有者である大家さんの管理責任が問われ、損害賠償請求される可能性も出てきます。
このように、築年数が古い不動産であるほど、長期化する仲介業者を通しての買い主探しという方法は、リスクと隣り合わせという事をご理解いただきたいと感じます。
リスクを避けるためにも、いち早く不動産の現状を知って、どのように売却活動を行うかという判断が大切なのです。
□売却に時間をかけたくない場合は買い取りの選択肢
今回のご相談者様は、両親の知人の紹介で当社を知ったそうです。
賃貸不動産経営の経験のない方が、相続などをきかっけに複数の不動産を所有されるような場合は、全ての不動産の現状把握をできるだけ早めにしていただいた方が良いと思われます。
今回の場合も複数の不動産がありましたが、リスクが高いと感じる物件は築年数の古い商業ビルのみでした。
当社の経験上、今すぐ災害などで被害が出るとは言い切れませんが、日本では近年地震や台風の大きな被害ニュースも多いので、決して油断はできません。
この様な旨のご説明をし、今回のお客様の古いビルは弊社で買い取りさせていただくことをご提案しました。
売却に時間をかけないほうが得策だと感じたためです。
すぐに査定を行い、ご提示した金額に納得いただけましたので、結果的にはご相談期間も含めて10日ほどで買い取りが完了いたしました。
今回のように、不動産の経営の経験がない方の場合、どういったリスクが潜んでいるのかがわからないという方も多いと思います。
気づかないうちに小さなトラブルが発生している可能性もありますので、築古賃貸不動産をお持ちの方は、築古不動産を専門的に取り扱う日成開発までお気軽にご相談ください。