今回はご両親が住んでおられた実家を更地にされた方のご相談事例を紹介します。
□所有地にお隣さんの水道管がある場合、移設を受け入れてもらえない場合
*ご相談者様の状況
ご相談者様:50代男性
置かれていた状況:
30年前に父が購入した中古住宅を10年ほど前に取り壊して更地にされています。
その更地に、当初は家を新たに建てようと考えておられました。
その際に土地を調べると、地中から隣の土地に伸びる水道管が見つかったそうです。
水道局に確認すると、お隣さんA、Bの水道引き込み管が所有地の地中を通っていたことが判明し、移設についての話し合いや、費用の点でお隣さんとトラブルになっています。お隣さんとの位置関係:
下記の位置関係で、お隣さんA、お隣さんBが自分たちの所有地の地中を通る水道管を使用されています。
お隣さんAさんもBさんも購入時には説明を受けていないとのことです。
そのため、ご相談者様、Aさん、Bさんともに過失がありません。
役所に相談したとしても何も強制力がないため、当事者間での話し合いが必要になります。
*水道管の移設にかかる費用は?
水道管は道路の地中に「本管」があり、そこから枝分かれするように各家に引き込まれます。
移設には既存の水道管を取り除く工事と、新たに引き込む工事があり、依頼する会社や引き込む長さによってかかる費用も変わってきます。
急な出費となるので、「移設してください」と伝えて簡単に了承できる方は少ないと思います。
*自分の土地に「地役権」が登記されていると移設を受け入れてもらえない!?
今回のケースでは違いましたが、所有地を通ってお隣さんA、Bに水道管が伸びている場合で、もしも「地役権」が所有地に設定されていると、移設の要求が難しくなります。
地役権とは、「一定の目的の範囲内で、目的の土地(要役地)のために他人の土地(承役地)を利用する物権」のことを指します。(民法280条を参照)
つまり、「その土地を通行、利用しても良い」という権利を登記するものです。
本来土地の通行を許可する場合は、通行許可書あるいは通行許諾書を書いてもらうことで、通行が許可されます。
通行許可書(or通行許諾書)は結んだ2者間での決まり事のため、売却などで所有者が変更されれば、権利は無効になります。
一方、地役権は登記されているため、所有者が変更されても権利は残ります。
例えば、今回のような位置関係の場合、「所有地」に地役権が登記されていれば、今の水道管を移設する強制力がなくなってしまいます。
*トラブルのある土地は売りにくい!?
ご相談者様は、面倒なことが嫌だったということもあり、所有されていた土地を売却し、そのお金で別の場所に家を探そうと考えを変えられたということですが、トラブルを抱えている土地はなかなか買い手が見つからなかったり、思うような価格では売れない場合がほとんどです。
今回のようにお隣さんの水道管が所有地を通っている場合、新たな住居を建てようにも、水道管をそのままにすると基礎工事に支障をきたしたり、建物を建てた後では地中の水道管のメンテナンスができなくなったり、二次的なトラブルも予想されます。
また、お隣さんに水道管の移設を要求するために交渉しようとしても、費用面などで話がスムーズに進むかは分かりません。
このように、トラブルを抱えている不動産は用途が限られてしまいますし、専門的なノウハウがないと解決が難しいこともあるのです。
というのも、今回のように水道管が隣の土地(又は自分の所有地)を通って引き込まれているという状況は、昔の大地主さんが所有していた大きな土地に貸家を何軒か建てて、後にその貸家をばら売りしたような場合によく見られ、築古不動産専門の弊社からすれば普段からよく出会う状況なのです。
□ご自身で行動するのではなく、専門家とともに適切な行動を
今回のご相談者様は、一度近隣の不動産会社に相談されていたそうです。
トラブルの解決、売却が目的だったそうですが、その不動産会社では対応が難しく、弊社をご紹介いただいたとのことです。
今回の場合は、弊社での買い取りで進めさせていただきました。
ご相談者様が今の土地を売却して別の場所に家を探したいとのことで、売却を急がれている事が一番の理由です。
今回のお客様の場合は更地でしたが、築年数が古い不動産の場合、新築や築浅不動産とは違い、専門的な経験やノウハウがなければ取り扱いが難しいことがよくあります。
トラブルを解決して、水道管を移設して、それから売却を考えるとなるとかなり時間がかかってしまいます。
そんなこともあり、現状のままでの買い取りを提案し、査定書を6営業日ほどで提出させていただきました。
そこから査定金額やその他のご説明を含めて、すぐにご了承いただけましたので、2週間ほどで買い取りが完了しました。
ご相談者様からは、
「やっと自分たちのマイホームの話まで進めることができました。自分でどうにかするしかないのかと悩んでいたところ、早急に対応していただきありがとうございました。 本当に助かりました。」
というお言葉をいただきました。
弊社では、トラブルを抱えた不動産・お困りごとのある不動産でも早急に査定を行い、査定額にご納得いただければ『トラブルやお困りごとを抱えたまま』すぐに買い取ることが可能です。
お持ちの不動産でお困りの方は、お気軽に日成開発へご相談ください。