今回は、親御さんが所有する不動産の管理に困っていた方のお話を紹介します。

□両親が所有する不動産をどうしようかと困っていた方の当時の状況

私(娘)は65歳で、今年で90歳になる母がいます。
母は、亡くなった父から相続した古いマンションを一棟所有しています。

そのマンションは父がまだ若かった頃から所有しており、昔は夫婦で賃貸経営をしていました。
その後に父が亡くなり母が相続したのですが、母も年々調子が悪くなっていき、最近は物忘れが多くなってきていました。
その様な理由もあり、所有していたマンションを実質私が管理せざるを得ない状況となったのです。
最初は父が残してくれた財産だからと頑張っていたのですが、入居さんからのクレームなどにもストレスに感じることが増えてきました。

さらに、私はマンションの近くに住んでいるわけではなかったので、このまま管理を続けていくことができるか迷いが出ていました。

管理会社に委託することも考えたのですが、築年数も古くて空室が目立っているマンションですので、わずかな家賃収入から管理料を支払ってまでマンション経営を続けていくことは大きな負担だと思うようになり、売却することを決断しました。

□築年数の古いマンションを引き継いで困っていた点

＊遠方の物件で管理ができない

遠方に住んでいる方の場合に一番問題なのが、定期的に物件へ通うことが難しい事です。
物件の所有者であれば、建物の状態を健全に保つ責任が伴います。
例えば台風が直撃し、建物や付属設備が壊れて誰かが怪我をした場合、責任を問われることもあります。
必要なメンテナンスがされていなかったり管理が不十分であると判断されれば、賠償責任が発生するかもしれません。
そのため、しっかりと管理できなければ所有しているだけでもリスクがあります。
放っておくのではなく、早めの対処が必要です。

＊入居率が低く、収益が上がらない

築年数の古いマンションだと継続的に空室を埋めることは難しいことが多いのです。
一般的な入居者さんの需要は新築や築年数の浅い物件に集中します。
築年数の古いマンションの空室を埋めるとなると、よほど立地が良く家賃が安いなどの大きなメリットが無いと、なかなか選んでもらえません。
空室が埋まらなくても、清掃や管理・設備のメンテナンスなどは同じだけ必要です。
そこで注意していただきたいのが、入居者を増やすためにむやみに改修工事やリフォームをしないことです。
例えば改修工事をすると、多少の良い効果は表れますが、確実に入居者が増えて満室になるという保証はありません。また、売却するにしても改修工事にかけた費用を回収できるほどの金額を売却価格に上乗せできるとも限りません。
当社にご相談いただく家主さんでも、リフォームをしてもなかなか売れず、結局は価格を下げて手放すしかなく、何も手をかけないほうがよかったという声も多いのです。
入居率を上げるために改修工事やリフォームをお考えの方は一度ご相談ください。

＊入居者さんからのクレーム

マンションでよくあるのが、入居者さんからのクレームです。
設備の不具合や近隣とのトラブルなど、管理者であればいろいろな問い合わせやクレームが集まります。
マンション内のトラブルは、あちらを立てればこちらが立たずとなかなか上手く対処することができないものです。
そうなると入居者さんへの印象も悪くなってしまい、関係性にも影響してしまいます。

入居者さんとの関係が悪くなると、もし立ち退きの交渉などが必要になった場合、確実に難航してしまいます。