今回は当社にご相談いただいた方で、築古ハイツの売却をご決断いただいたお客様の一例をご紹介します。
□築古ハイツを売却する家主さんの状況
昔、アパート経営のため6部屋のハイツを購入し、長年経営していました。
建物が築40年を超えた頃から、雨漏りやお湯が出ないなどのクレームが頻繁に来るようになり、最近は見た目の古さも際立つようになってきました。
少し前までは空室が出てもすぐに次の入居者が決まっていたのですが、建物が古くなってきたためか、ここ数年は半分の3部屋がずっと空いたままの状態が続いていました。
私も高齢になってきたため、このハイツを今後どうするか考えるようになり、最初は当然子供たち(息子二人)に相続しようと考えていました。多くはないですが家賃収入が毎月入ってくるので、子供たちの生活の足しになるだろうと考えたからです。
ある時、息子たちにハイツを引き継ぐ意思があるか聞いてみました。その時、衝撃の言葉が返ってきたのです。
「相続したくない」
「売った方が良くない?」
その言葉を聞き、初めは驚いたと同時に、ハイツを管理するのが単に面倒だと思って息子たちも相続したくないと言っているのだと思いました。
しかし、詳しく理由などを聞いてみると、
- 相続しても、これから建物がどんどん古くなるので入居率が良くなるとは思えない
- 大規模なリフォームをするには現金が必要だけど金銭的に余裕がない。しかもそれで入居率が改善するか分からない
- 少しの収入のために管理するのは、手間の方が多くなって嫌だ
- 最近各地で頻発している台風の大きな被害が、ハイツ周辺でいつ起こるか分からず不安で仕方ない
…以上のような考えでした。
意外でした。
少しの家賃収入があることだけを私は考え、それを息子たちの収入の足しに…とばかり思っていましたが、無関心だと思っていた息子たちの方が、冷静に状況を見ていたのかもしれません。
確かに、最近は毎年のように、日本各地で台風の大きな被害映像やニュースを目にします。
瓦が飛んでいる映像や、外壁が崩れてしまう映像など、もし私の住む地域に台風が来れば他人事ではありません。
それを考えると急に怖くなり、今まで考えたことのなかった「売却」を前向きに考えるようになったのです。
□家主さんが所有する築古ハイツ売却で困っていた点
お客様談ハイツをどうやって売却したらよいのか分からなかったため、初めは近所の不動産会社を訪ねました。
まずは査定を依頼したのですが、近所の不動産会社ではハイツの築年数が古すぎたこともあってか、査定ができないという回答でした。
新築や築浅物件をメイン取り扱っている不動産会社の場合、築年数の古い物件へのノウハウや経験が無いため、取扱が難しいそうです。
そこで、別の不動産会社に仲介してもらって売りに出したのですが、問い合わせがなかなか来ませんでした。
- 空室が多く収入が少ないため、買い手が見つからない
築古ハイツを売却する場合、まずは不動産会社に仲介してもらって売却することを思い浮かべる方が多いです。
しかし、買い手が見つからず、数年かかっても売れないこともあります。
すぐに売るためにも、「リフォームして物件の魅力を上げよう」と考える方もよくおられます。
しかしリフォームしても、リフォームにかけた費用を上乗せした金額で売却できるとは限りません。
リフォームにかけた代金が、そのまま借金として増える方の方が多いです。
また、リフォームにお金をかけたので、リフォーム費用を回収しようと無理をして経営を続けるお客様もいらっしゃいます。
古い物件なので、リフォームしたからと言って家賃を大幅に上乗せすることもできず、かけたリフォーム費用の回収だけでも相当な期間が必要です。
- 築年数が古く、融資がつきにくい
築年数が古いと、融資がなかなかつきません。
もし融資がついたとしても、融資額や融資期間があまり伸びません。
そのため、買いたいと考える方が現れても、売れない場合があります。
また、築年数の古い物件を個人に売却する場合、契約内容にもよりますが売り主は瑕疵担保責任を負わなければなりません。
例えば高く売るために知っていた瑕疵を伝えないでいると、責任を問われることになります。契約時に瑕疵担保責任を問わないという免責の特約を付けることもできますが、免責のかわりに価格が安くなってしまいます。修繕して経営を続けても、修繕費用を回収できるかどうかもわかりませんし、古い物件の場合は特に、何も手をかけずにそのまま売却した方が、手元に残るお金が一番多くなる可能性が高いです。
- 築年数の古い物件は、地震などの自然災害で被害を受けやすい
築年数の古い物件は旧耐震基準で設計・建築されているので、今の耐震基準を満たしていないことがあります。そのため、耐震面での不安が大きいのが実情です。
今は問題ない状態であっても、いつ地震や台風のような自然災害で被害が出るかわかりません。
もし、十分な修繕や起こり得る災害への対策が全く行われていなかったために、建物が壊れて被害に遭われた方がいた場合は、管理者が責任を負わなければならない可能性があります。
実際に、予想される災害に対する対策が行われていなかったことでケガ人が出てしまい、高額な賠償責任を負ってしまう事例があります。
□築古ハイツをすぐに売却できた方法
長い間売れず、固定資産税の支払いが続き、管理などの負担も増すばかりでした。
別の不動産会社に相談してみたところ、築古物件を専門に取り扱っている不動産会社に相談するように勧められました。
その時、勧められた不動産会社が「日成開発」でした。
築年数の古い物件だったこともあり、自然災害の被害も心配なのですぐに売りたいと日成開発に相談したところ、すぐに対応してくださいました。
売却するために必要な手続きも丁寧に教えてくださり、相談後すぐ査定もしてくださいました。
□家主さんからの感想「何事もなく売却することができ、安心しています。」
比較的新しいハイツでしたら、売却せずに相続していたのかもしれません。
ただし、私の所有していたハイツはかなり古く、今回もし売却せず相続していたとすると、子供たちが将来自然災害などの被害や、今よりさらに古くなったハイツの修繕や入居率の悪化などで苦労していたのだと考えると、本当に良い選択をしたと思っています。
スムーズに売却でき、最初は相続しようと思っていた息子たちには、古い不動産という「心配の種」を受け継がせずに済みました。